聖書から「自分の必要が満たされる道」

「 人からしてもらいたいと望むとおりに、人にしなさい。」 ルカの福音書6章31節

 このイエス様の言葉はゴールデンルール(黄金の戒め)と呼ばれています。人と人との関係において、この戒めは最高の原則を示しているものと言えます。私たちは「だれが私の必要を満たしてくれるのか」と自分の必要に答えてくれる人を求めています。イエス様の答えは、「自己中心的に求めてもだめだ。まず他の人の必要を満たすことから始めよ。そうすると、あなたの必要は満たされる。それは神様が決めた法則だ。」というものです。

 私たちが人間関係で失敗し、苦しむのは、相手がしてくれたことに従って相手に報い、また相手がしてくれないとき、自分も何もしないことによります。関係はそれで終わりになります。また、人からされたことを他の人に仕返しをする場合があります。親から受けた苦しみを、新しい関係の人々にぶつけていくことはこの典型的な例です。怒りをぶつけられる人はたいへんな迷惑を被ります。さらに、あたかも相手のためにしているように見えても、実は自分のためにしていることがあります。私たちの行動の背後に隠されている動機についてもよく吟味する必要があります。

 問題は、私たちが絶えず自分の必要を相手に求めることです。イエス様のこの言葉は、「どのようにしたら私はこの人の必要を満たすことができるだろうか?」という考えに立つことを教えています。そのためには、その人に対する感謝を見つけることです。たとえ小さなことであっても、そのことでその人に感謝をすることです。その人との関係で自己中心的な心を忘れることができるのは、その人に感謝をしているときです。

他の人に感謝すること無しに、仕えることはできないのです。感謝な心を持つことで、謙遜になり、プライドを取り除くことができ、他の人に仕えることができます。そして、自分の必要が満たされる道を歩むことができるのです。(牧師 笠川徹三)