聖書から「仕えることこそ真の偉大さへの道」

「 あなたがたのうちで一番偉い者は皆に仕える者になりなさい。」マタイの福音書23章11節

 偉くなりたいと思うのは皆同じだと思います。イエス様に従ってきた12人の弟子たちも偉くなりたいと願いました。彼らの一番の関心事は「だれが一番偉いのか」ということでした。彼らは「私が一番偉くなるはずだ。イエス様も認めてくれるに違いない」と考えていました。彼らの様子を見て、心を痛められたイエス様は真の偉大さは仕える道にあると彼らを戒められました。

 さて、私たちが意味ある人生、価値ある人生をおくりたいと願うなら、イエス様の言葉を心に留めることが必要です。かつて「偉大なる生涯の物語」という映画が作られました。それはイエス様のご生涯の話です。イエス様はだれよりも一番偉大な生涯をおくられ、多くの人々に影響を与えました。一体、何が人々に大きな影響を与えるのでしょうか。何がその人を偉大にし、その人生が価値ある、有意義なものとなるのでしょうか。それは人を支配することより、人に仕えることによってだとイエス様は言われるのです。これは逆説的です。普通の考えと違います。私たちはいかに多くの人々を支配しているかで偉さを競いますが、イエス様はしもべになり、仕えることにこそ真の偉大さの道があると言われます。イエス様のご生涯は真に仕えるものであったゆえに、多くの人々に影響を与え、力を与えてきたのです。

 それではいかに私たちは仕えたら良いのでしょうか。それはまず、義務感からではなく、喜んでしたいと願い心から仕えることです。しなければならない義務感から仕えたとしても、それは人々に力強い影響力を与えることはできません。喜んでしたいと思う心を与えてくださいと神様に祈る必要があります。次に、得ることより与えることをいつも選択することです。最も影響を与える人は豊かに与える人です。さらに、言葉より模範です。人々に一番伝わるのは言葉ではなく模範です。言葉だけでなく模範をもって仕えることです。(牧師 笠川徹三)