聖書から「神様は私たちを見捨てない」

「父がその子をあわれむように、主は、ご自分を恐れる者をあわれまれる。主は、私たちの成り立ちを知り、私たちが土のちりにすぎないことを心に留めてくださる。」詩篇103篇13-14節                                       

 神様があわれみ豊かなお方であることは、神様の子であるイエス様の姿を通してよく知ることができます。特に、ご自分が呼び集められた12人の弟子たちを、どのように扱われたかを観察することによってよく分かります。イエス様が選ばれた人々はみな名もない普通の人々でした。いやむしろ問題ありの人々でした。当時のユダヤ社会の中で、エリートに属する優秀な人々を選んだのでなく、教育を受けていない漁師たちや、また人々から嫌われ見下されていた取税人をあえて選ばれたのです。

 イエス様は3年半にわたる公の生涯を、12人の弟子たちの教育にもっぱら焦点を当てられました。いわばこの3年半は弟子たちにとっては揺りかごの中でイエス様によって育まれたようなものでした。イエス様は忍耐を持って彼らを教え、励まされました。彼らはなかなかイエス様の教えを理解できず、誤解したり、また彼らは頑固で偏見に満ち、しばしばイエス様の働きを妨げることもあったのです。それにもかかわらず、イエス様は彼らを見捨てず、繰り返し忍耐をもって諭し続けたのです。イエス様は彼らの成り立ちを知り、彼らが土のちりにすぎないことを心に留めておられたのです。

 さて、自分自身を振り返ってみると、これらの弟子たちのように、私も主のあわれみの中で育まれてきたことを覚えます。私は何度失敗してきただろうか、また何度主の働きを邪魔してきただろうかと思います。自分の偏見や傲慢さ、また頑固さのゆえに、多くの人々を躓かせてきたことです。しかしそれにもかかわらず主は私を見捨てず、12人の弟子たちにされたように、最後まで愛し通されるのです。神様の深いあわれみに心から感謝します。(牧師 笠川徹三)