聖書から「私はどうしたらよいでしょうか」

 「私が 『主よ。私はどうしたらよいでしょうか。』と尋ねると、主は私に言われました。『起き上がって、ダマスコに行きなさい。あなたが行うように定められているすべてのことが、そこで告げられる。』と。」使徒の働き22章10節

 パウロは初代教会において最も活躍した伝道者のひとりでした。もちろんパウロの働きの背後には、彼を遣わしたアンテオケ教会のクリスチャンたちの支援と、また彼とともに働いた伝道チームのメンバーの協力がありました。パウロは多くの仲間たちと協力しながらイエス様の福音を地の果てにまで宣べ伝えました。彼が大いに用いられ、祝福された人生をおくることができた秘訣は何かについて考えてみましょう。

 その秘訣はパウロ(元の名はサウロ)の回心の出来事の中にあります。彼はクリスチャンを迫害する急先鋒のひとりとして、エルサレムから遠く離れたダマスコにまで遠征し、クリスチャンを捕まえて、エルサレムまで引き立て、裁判にかけようとしていました。ダマスコに近づいたとき、彼は突然強い光に打たれ、地に倒れました。そのとき、「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか。」という声を聞きました。「主よ、あなたはどなたですか。」と彼が言うと、その方が「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。」と言われました。パウロは「主よ、私はどうしたらよいでしょうか。」と尋ねました。

 復活のイエス様と出会ったパウロは「主よ。私はどうしたらよいのでしょうか。」という問いをイエス様にしました。そして彼はそれ以後もイエス様に絶えず問い続けていきました。その結果、パウロは全く新しい歩みを始め、一世紀のローマ世界とそれ以後の世界に大きな影響を与える人になりました。「イエス様、私の人生におけるあなたのご意志は何でしょうか。私にあなたは何をして欲しいと望んでおられるのでしょうか。」と、あなたもイエス様にこの問いをしたらいかがでしょうか。イエス様はパウロと同様にあなたをも導いて今までとは違った新しい歩みを与えてくれます。(牧師 笠川徹三)