聖書から「人間関係にハーモニーを(1)」

「最後に言います。みな、一つ思いになり、同情し合い、兄弟愛を示し、心の優しい人となり、謙虚でありなさい。」ペテロの手紙第一3章8節

 人と関わり、長く付き合うと、必ず争いが起きます。これは自然なことで驚くことではありません。神様は私たちをみな違って造られたからです。その違いがときどき争いを引き起こす原因になるのです。大切なことは人間関係の中でそれらの争いを減らし、ハーモニーを作り上げることです。そのためには上記の聖書の言葉にあるように、一つ思いになるために、すなわち、ハーモニーを作り上げるために、同情し合うことがポイントです。

 人はみな他の人から自分の気持ちを理解してもらいたいと願っています。これは人間の基本的な欲求です。私たちの問題は相手の感情、気持ちを軽く扱い、無視することです。「なぜ、そう感じるのか、そう感じなくても良いのに。」と言ってしまいます。同情とは相手の気持ちを理解することです。もっと相手の気持ちに敏感であることです。

 ではどうしたら相手の気持ちを理解することができるのでしょうか。そのかぎは聞くことです。ヤコブの手紙1章19節に「人はだれでも、聞くのに早く、語るのに遅く、怒るのに遅くありなさい。」とあります。私たちは自分のことを理解して欲しいと願っています。その結果、相手の言うことを聞くことより、自分の考えを伝えようと一生懸命努力しています。同情的であるためには、相手の話を良く聞くことです。そうすれば、相手をもっと理解でき、受け入れ易くなります。いかにして同情的になるか、それは口よりも耳を用いることです。もっと聞くことを学ぶべきです。聞くことは相手に対して、「あなたは大切な人だ。」というメッセージを送ることになるのです。人間関係にハーモニーを築き上げるためには、同情する態度を身に着けることがポイントです。神様は、あなたがこの態度を身に着けることによって、人間関係における争いを減らすことを願っておられます。(牧師 笠川徹三)