聖書から「人間関係にハーモニーを(2)」

「最後に言います。みな、一つ思いになり、同情し合い、兄弟愛を示し、心の優しい人となり、謙虚でありなさい。」ペテロの手紙第一3章8節

 一つ思いになり、人間関係にハーモニーを作り上げるためには、まず同情し合うことです。第二のポイントは兄弟愛を示すことです。それは、私たちが同じチームに属している、また同じ家族に属しているという意識を持つことです。

 少し前に、ワールド・ベースボール・クラシックが行なわれました。日本が世界一に輝きました。その立役者は大リーグで活躍している大谷翔平選手とダルビッシュ有選手でした。彼らは、大リーグの開幕の準備を脇において、日本チームのために犠牲を払い参加をしました。彼らは日本チーム全体をリードし、日本チームのムードを盛り上げました。普段は、互いに競い合い、敵と味方に別れて戦っていますが、この大会において、選手たちは日本の旗のもとで一致して戦い、優勝をし、日本中を熱狂させました。

 人間関係の中で、いらいらし、腹を立てるとき、私たちは問題に焦点を合わせています。また、相手を敵として見てしまいがちです。その結果、互いの関わりの大切さを忘れてしまいます。私にとって配偶者は敵ではありません。同じチームのメンバーであり家族です。教会においても、私たちは同じ神の家族のメンバーです。たとえ互いの間に争いが起きても、同じチームであることの大切さに焦点を合わせ、互いを愛すべき存在として認め合い、それらの問題の解決のために一緒になって考えて協力していくことです。

 私たちは自分の人間関係に裏口の戸を設けないことです。一旦事が起きれば、裏口の戸を開いて、いつでも逃げられるようにしておくという態度では、私たちの関係にハーモニーを作り上げることはできません。裏口の戸を設けないことです。逃げないことです。兄弟愛を示すということは相手に対して決して離れないことを約束することなのです。(牧師 笠川徹三)