聖書から「人間関係にハーモニーを」(3)

「最後に申します。あなたがたはみな、心を一つにし、同情し合い、兄弟愛を示し、あわれみ深く、謙遜でありなさい。」ペテロの手紙第一3章8節

 結婚とは不思議なものです。どうしてこんなに違った人と結婚したのかと驚かされます。結婚前には、その違いが魅力的でした。自分に無いものに憧れたものです。しかし実際に生活をすることは別のことです。その違いがたいへんな問題になります。問題が起きない方が不思議なくらいです。問題が起きて当たり前の人間関係の中で、いかにハーモニーを築き上げて行くか、聖書は私たちに第一に同情し合うこと、第二に、兄弟愛を示すこと、そして第三に、あわれみ深くあることを教えています。では、あわれみ深くあるためにどのように実践すれば良いのでしょうか。

 同情し合うとは、他の人の気持ちを理解することです。一方、あわれみ深くあるとは、その同情する気持ちを行動で表わすことです。アクションを起こすことです。その方法は2つあります。一つは、言葉をかけることです。言葉には力があります。言葉によって他の人を助け、励ますことができます。また、私たちの言葉が他の人を助けているか、他の人の気持ちを心地よくしているか、他の人の必要を満たすことに貢献しているか、そのように私たちの言葉は毎日試されています。また逆に、私たちの言葉が他の人を失望させ、矢のように突き刺さって傷つけているかを吟味する必要があります。

 もう一つは、行動によってです。聖書に「 子どもたち。私たちは、ことばや口先だけでなく、行いと真実をもって愛しましょう。」(ヨハネの手紙第一3章18節)とあります。あわれみ深くあるとは、どうしたら他の人がもっと心地良い生活をおくることができるかと考えて、そのために積極的に行動を起こすことです。私たちは他の人が困っているとき、見て見ぬふりをせずに、どうしたら助けて上げられるかを考え、行動していきたいものです。

あわれみ深い神様は、私たちもあわれみ深くあることを願っておられます。(牧師 笠川徹三)