聖書から「人間関係にハーモニーを(4)」

「最後に言います。みな、一つ思いになり、同情し合い、兄弟愛を示し、心の優しい人となり、謙虚でありなさい。」ペテロの手紙第一3章8節

 人間関係にハーモニーを築き上げていくために、謙虚になることが必要です。争いが起きるところには必ず高慢、プライドがあります。聖書は言います。「愛は高慢になりません。」また「高ぶりは、ただ争いを生じ、知恵は勧告を聞く者とともにある。」と。

 謙虚になるためには、自分の弱さ、必要、失敗について正直になることです。人は高ぶるとき、本当の自分を忘れ、不誠実になります。今失敗していなくても、かつて失敗を仕出かしたはずです。またこれから失敗をするかもしれないのです。いや必ずするはずです。だとしたら、私たちは自分の弱さに正直になり、謙遜になるべきです。

 さて、自分が謙虚であるかをチェックするために、次の2つの言葉をいつも言うことができるか、自問してみることです。ひとつは、「あなたの助けが必要です。」という言葉です。他の人に自分の必要を訴えることはなかなか難しいことです。私たちは身近な人々に「この問題のために祈ってください。」と重荷を分かち合っているでしょうか。聖書は「互いの重荷を負い合いなさい。」と命じています。しかし重荷を分かち合わなければ、どうして私たちが互いの重荷を知り、負い合うことができるでしょうか。

 もうひとつは「私は間違っていました。ごめんなさい。」という言葉です。これもなかなか言い難い言葉です。謙虚になるとは、自分の間違いを素直に認めて謝ることです。私たちはしばしば自分が間違っていることを知っていても、それを認めようとしません。意地を張り、心を頑なにしてしまいがちです。謙虚であるとは、心をやわらかくして、自分の必要を分かち合い、自分の間違いを認めることです。そのとき、神様がその関わりの中にすばらしい働きをしてくださるのです。(牧師 笠川徹三)