聖書から「良い奉仕者の心得」

「 まず初めに、私はあなたがたすべてについて、イエス・キリストを通して私の神に感謝します。全世界であなたがたの信仰が語り伝えられているからです。」ローマ人への手紙1章8節

 パウロがローマにいるクリスチャンたちに書いた手紙の1節から、偉大な伝道者パウロの模範を学ぶことができます。それはまず感謝を言い表す態度です。彼は一度もローマを訪問したことがなく、ローマのクリスチャンたちについて一部の人々以外面識はありませんでした。ただ彼らについていろいろな情報がパウロにもたらされていました。この手紙を書き始めるにあたって、彼は「まず初めに」と言って、「私はあなたがたすべてについて、私の神に感謝します。」と書きました。私はここに「まず感謝する」という態度にパウロの神の奉仕者としての模範を見ることができます。

 良き奉仕者の心得とは何でしょうか。それはまず他の人に対して感謝を言い表すことです。パウロは何かを言う前に、まずローマのクリスチャンたちのことを覚えて感謝を表わしたのです。私たちが生きている世界は感謝されることが少なく、むしろ批判されることが多いです。私たちはいつも批判され、落胆し、自信を失っています。しかし感謝は人々に勇気と励ましを与えるものです。パウロはいつもまず感謝を見出し、感謝を言い表す奉仕者でした。彼は感謝することを通して多くの人々を励まし、育てていきました。私たちも彼の模範に習い、他の人に感謝を言い表す人になりたいと思います。

 以前、教会に来ていた方が、こう言われたことがありました。「はじめ、教会に来て、『感謝します』という言葉をよく使うので、普段余り使わないので違和感がありました。しかししばらく教会に通いながら、気がついてみると、感謝することが自然になっている自分を発見しています。教会は感謝の雰囲気を持っていますね。」と。この方は教会が感謝の雰囲気を持っていると感じたのです。私はそれを聞いてうれしく思いました。またますますそうありたいと願ったことです。(牧師 笠川徹三)